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焼き物の表面がつるりとしているガラス質のものを釉薬といい、うわぐすりとも呼ばれる。
そして前回取り上げた、景徳鎮を代表する染め付けの色はコバルトを始めとする顔料で出されている。 日本では釉薬は作家自身が原料を取り寄せて調合して作る事が多い。 コバルト顔料なども自分で調合し、乳鉢でゴリゴリと根気よく擂る。 調節しつつ実験を繰り返し、自分に合った釉や顔料を作り上げる。 大学時代の釉薬室には様々な名前の付いた釉のバケツが沢山あった。 『栗原青白』と書いてあれば、栗原さんという方が作ったもの。 ふーむ、まるで新星の発見者ですな。 ここ景徳鎮では、釉薬屋というものがある。 景徳鎮の作家の殆どが釉薬屋で購入し作品に使用する。 日本では釉を買うとなると本当に高いので原料を買って調合するのだけれど、ここは中国。 様々な色の釉が安く売られている。 釉薬屋が集まっている場所は、タクシーの運転手にも「买釉的地方(釉を買うところ)」というと通じる。 このストリートには、十件ほどの釉薬屋が立ち並んでいる。 各店によって特徴があるものの、基本的な価格は大体同じ。 一番安い釉薬は一斤1元(500g16円)から。 透明釉が一番安く、色が変わっているものや赤い色など高い顔料を使ったものだとそれなりに高くなる。 染め付けのコバルト顔料の青い色も、本当に沢山の色が売られている。 ものすごい種類の釉が並んでいるのだけれど、「これ、失敗じゃない?」というものまで売られている。中国らしい。。 釉の中でも、青白釉の色は本当に豊富である。 というのもその昔、景徳鎮は白磁の白を目指していたのだけれど、原料に鉄などの不純物が入りどうしても青みがかかった釉しか作れなかったのだそう。 青白の時代が長かったお陰で、現在も色が豊富なのだとか。 一斤からの量り売りで、ペットボトルに入れて売ってくれる。 お店には使い古した沢山のペットボトルが用意されており、大量購入する場合は自分でバケツを持参する。 この釉薬屋のおじさん、ちょっと男前と思う私の眼は少し腐ってきたのだろうか・・・ こちらの釉薬屋のご夫婦、 「おい、日本娘!お前に聞く、南京大虐殺は真か偽か!?」 と毎回投げかけて来る。 そして私は毎回親指を立てて 「真!!」 と答える。 そうすると ニッカリ とヤニの付いた歯を見せて笑ってくれる。 陽気な御夫婦である。 釉薬屋のおじさんが嘆いていたのが、この中国では原料が安定していないという事。 同じ原料を頼んでも全然違うものが来てしまうので、釉も全く同じものが作れなかったりするのだそうだ。 違うのが来たと文句を言っても、「同じ所から掘った!」と逆に切れられるとか。 日本だとそういうのはあまり無いなあ。 お決まりですが、調合配分は門外不出だそうです。 日本では最近教えてくれる所も多いのですが、コピー大国中国はみんな真似してしまって商売にならないから。 そりゃそーだ。 *釉薬屋 景徳鎮朝阳路40号あたり 『买釉的地方(マイ ヨウ ダ ディーファン)』 で通じます
by ailovehijiki
| 2007-07-31 11:39
| お店・工場
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